屋根の遮熱塗料の効果とは?涼しくならない理由と後悔ゼロの選び方をプロが徹底解説!

query_builder 2026/10/20
屋根塗装
著者:横浜リフォームサービス
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真夏の2階寝室にこもる熱気や冷房費の負担を減らそうと、屋根塗装の見積もりで遮熱塗料を検討しながらも、費用に見合う温度低下が得られるのか判断がつかず足踏みしていませんか。遮熱塗料は屋根の温度上昇を抑える対策ですが、室温の下がり方や費用対効果は建物によって異なります。

横浜リフォームサービスが横浜市内の築22年・スレート屋根の住宅で測定した施工前後の比較では、屋根表面は74.0℃から57.2℃へ、2階寝室の天井付近は37.8℃から35.2℃へ下がりました。外気温34.5℃、午後2時、エアコン非稼働時の一例です。太陽の近赤外線を反射して屋根から伝わる熱を減らしても、屋根表面と室温が同じだけ下がるわけではありません。

一方で、ネット上で見かける「効果なし」という声も、単なる噂として片づけられません。天井裏の断熱材の厚みやスレート・金属といった屋根材の違い、選ぶ塗料の色によって、体感できる変化は異なります。私たちのサンプル実験でも、遮熱シリコンの黒系とグレー系では裏面温度に8.4℃の差がありました。また、創業初期には涼しさへの期待を高めすぎ、施工後に西向きの大きな窓と天井裏の断熱不足への対策も必要だったと反省した経験があります。

高い追加費用を投じても、下塗り材の選定ミスや薄塗り、必要な縁切りを怠る施工があれば、期待する性能が得られなかったり、雨漏りのリスクにつながったりします。当社での屋根80㎡の一般シリコンから遮熱シリコンへの変更差額は約35,000〜45,000円が目安ですが、電気代で回収できる期間は冷房の使用状況などによって変わります。

この記事では、断熱塗料との違いから適正な平米単価、構造ごとの費用対効果まで、12年間の現場経験と測定事例に基づいて解説します。ご自宅の条件で涼しさと電気代削減をどこまで期待できるのか、後悔のない選択基準を最後まで確認してください。

## 屋根の遮熱塗料の効果で本当に涼しくなる?表面温度と室温のリアルな変化

一般的には「遮熱塗料で屋根の温度が10〜20℃下がる」と言われていますが、私が12年間の施工経験で重視するようになったのは、屋根の温度よりも「その家の暑さがどこから来ているか」です。

横浜リフォームサービスで確認した施工例では、屋根表面が16.8℃下がった一方、2階寝室の天井付近で測った温度差は2.6℃でした。表面温度の低下を、そのまま室温の低下として説明することはできません。

まずは、屋根材サンプルでの比較と実際の施工前後の記録を分けて、どのような変化があったのかをご紹介します。

炎天下の屋根表面はどれだけ変わる?サンプルで確認した遮熱の働き

遮熱塗料は、太陽光を反射して屋根が吸収する日射熱を減らす塗料です。たとえば日本ペイントのサーモアイは、上塗りと下塗りを組み合わせて日射を反射する設計を採用しています。(nipponpaint.co.jp)

私たちは事務所ヤードでスレート屋根材のサンプルを使い、一般シリコンの黒、遮熱シリコンの黒系、遮熱シリコンのグレー系を比較しました。

測定したのは7月下旬の晴天日、正午から午後2時の時間帯です。その日の最高気温は35℃で、赤外線放射温度計とサーモカメラを使用しました。

スレート屋根材サンプルの仕上げ 表面温度 裏面温度 一般シリコン・黒との表面温度差
一般シリコン・ブラック 72.4℃ 58.1℃ ―
遮熱シリコン・ブラック系 61.2℃ 51.6℃ −11.2℃
遮熱シリコン・グレー系 49.8℃ 43.2℃ −22.6℃

この比較では、黒系の遮熱塗料でも一般シリコンの黒より表面温度が低くなりました。さらに、グレー系では黒系の遮熱塗料より裏面温度が8.4℃低くなっています。

ただし、これは当日のサンプル測定結果です。すべての製品や屋根で同じ温度差が出るわけではなく、グレー系との比較には、遮熱機能だけでなく色の違いも含まれます。

また、サンプルの裏面は、実際の住宅の小屋裏ではありません。この結果だけで「2階が何℃下がる」と判断しないことが大切です。

2階の熱気はどう変わった?屋根・小屋裏・室内を分けた施工記録

次に、横浜市内にある築22年、屋根面積75㎡のスレート屋根住宅で確認した施工前後の記録です。既存の黒色スレートに、ダークグレーの遮熱フッ素塗料を施工しました。

比較条件として記録したのは、外気温34.5℃の晴天日、午後2時、エアコンを使用していない状態です。

測定箇所 施工前 施工後 温度差
屋根表面 74.0℃ 57.2℃ −16.8℃
小屋裏の空間 53.5℃ 46.1℃ −7.4℃
2階寝室の天井付近 37.8℃ 35.2℃ −2.6℃

屋根表面、小屋裏、室内の順に、確認できた温度差は小さくなりました。私がこの記録でお伝えしたいのは、「屋根が16℃以上下がっても、室内が同じだけ下がるわけではない」という点です。

なお、2階の測定位置は天井付近であり、人が座ったり眠ったりする高さの室温とは区別する必要があります。施工前後は別日の比較なので、日射量や風、前日までの蓄熱などの影響も完全には取り除けません。

したがって、2.6℃という結果はこの住宅で確認した一例であり、遮熱塗料だけの効果や、ほかの住宅での温度低下を保証する数値ではありません。

冷房の負担は減る?室温の変化と電気代は分けて考える

屋根から室内へ入る熱を減らせれば、冷房負荷の軽減につながる可能性があります。ただし、「室温が1℃下がれば消費電力が必ず10%減る」といった一律の換算はできません。

資源エネルギー庁は、外気温31℃、2.2kWのエアコン、1日9時間の使用という条件で、冷房設定温度を27℃から28℃に上げた場合の省エネ量を年間30.24kWhとしています。これは設定温度を変えた試算であって、屋根の遮熱塗装による削減量ではありません。(enecho.meti.go.jp)

私たちの施工例でも、室内温度の測定結果と、電気料金の削減実績は分けて扱っています。今回の温度記録から「月にいくら安くなる」とまでは言えません。

費用対効果を確認するなら、施工前後の電気使用量に加え、在宅時間、設定温度、エアコンの買い替え、夏の気象条件も記録しておくと判断しやすくなります。

「遮熱塗料は効果なし」って本当?期待と結果がずれる家の共通点

「屋根表面が15℃下がるなら、2階もエアコンがいらないくらいになりますよ」

創業して3〜4年目の夏、私はメーカーのカタログに書かれた表面温度の数値を頼りに、こうした説明をしてしまったことがあります。

施工後、屋根表面では約15℃の低下を確認できました。ところが8月中旬、施主様から「前よりはましだけれど、昼間はやはり暑い。数万円追加したほどの違いは感じない」とお電話をいただきました。

現場を再確認すると、西向きの大きな単板ガラスの窓と、天井裏の薄いグラスウール断熱材がありました。屋根以外の日射の入り方や断熱状態まで調べずに、塗料の性能だけで快適さを約束してしまったのです。

この経験以降、私は塗料を選ぶ前に、建物全体の熱の入り方を見ることを優先しています。

建物の条件 提案前に確認すること 効果の見通し
天井・屋根の断熱が十分な住宅 断熱仕様、窓の日射対策 屋根表面の変化ほど室内では差を感じない場合がある
断熱が少ない築古住宅 断熱材の有無、欠損、窓の向き 屋根対策が役立つ可能性があるが、断熱改修との比較が必要
金属屋根の工場・倉庫 断熱材、天井、空調の有無 屋根からの放射熱対策として検討しやすい
大きな西向き窓がある住宅 ガラス仕様、外付けの日よけ 屋根塗装だけでは暑さが残る可能性がある

これは温度低下を保証する分類ではなく、現地調査の出発点です。

天井裏の断熱材が十分な住宅は、室内の変化を感じにくいことも

築年数だけで「遮熱塗料が効く家・効かない家」を決めることはできません。私が確認するのは、断熱材の厚さだけでなく、隙間やずれ、施工範囲などです。

すでに屋根から室内への熱の伝わりを十分抑えられている家では、屋根表面の温度を下げても、室内の変化は小さい可能性があります。一方、比較的新しい家でも、窓からの日射や断熱施工の状態によって暑さの原因は変わります。

以前の失敗を振り返っても、「築何年だからおすすめ」と決めるより、暑い部屋の位置と時間帯を聞き取る方が、提案の手がかりになります。

スレートと金属屋根の違いだけで、体感効果は決められない

私たちの今回のサンプル測定と住宅の施工前後測定は、いずれもスレート屋根の記録です。金属屋根について、同条件の比較データとして示せるものではありません。

金属屋根のお住まいでも、断熱材付きの屋根材なのか、下に断熱層や通気層があるのかで条件は変わります。「ガルバリウムだからよく効く」「スレートだから効きにくい」と、材料名だけで判断しないようにしています。

見積もりを取る際には、屋根材の商品名が分かれば伝え、分からなければ現地で構成を確認してもらってください。

工場や倉庫の折板屋根では、作業位置の暑さまで確認する

天井がなく屋根裏面が見える工場や倉庫では、屋根からの放射熱への対策として遮熱塗装を検討できます。メーカーも工場などでの採用事例を公開していますが、その結果を別の建物へそのまま当てはめることはできません。(sk-kaken.co.jp)

私なら、屋根表面だけでなく、作業する人の位置や空調・換気の条件も確認します。屋根の温度が下がったことと、作業環境が安全になったことは別だからです。

熱中症対策としては、遮熱塗装だけに頼らず、暑さ指数の測定、休憩、通風・冷房設備などを組み合わせる必要があります。厚生労働省も、こうした作業環境管理を対策として挙げています。(mhlw.go.jp)

遮熱塗料と断熱塗料はどっちが正解?住まいに合った選び方

私が塗料を比較するときは、「夏の屋根の過熱を抑えたい」のか、「冬も含めて建物の断熱性能を改善したい」のかを最初に整理します。

名前が似ていても、遮熱塗料と断熱材の追加工事は同じ対策ではありません。塗料だけで解決できる範囲を見極めることが大切です。

日射を反射する遮熱と、熱の伝わりを抑える断熱の違い

遮熱塗料は、屋根が吸収する日射熱を減らすことを主な目的としています。一方、断熱を検討する際は、材料の熱的性能だけでなく施工厚さも含めて比較する必要があります。

サーモアイは高日射反射率塗料として、ガイナは断熱・遮熱などの機能を持つ塗料として、それぞれメーカーから案内されています。ただし、製品の説明だけで住宅全体の改善量までは決まりません。(nipponpaint.co.jp)

比較する点 遮熱塗料 断熱機能をうたう塗料
確認する性能 色ごとの日射反射率、指定塗装仕様 熱的性能の試験条件、施工厚さ
夏の検討事項 屋根の日射吸収をどれだけ減らせるか 建物条件に合った効果の説明があるか
冬の検討事項 日射熱取得が減る影響 保温効果の根拠と適用条件
仕上がり 艶や色を製品別に確認 質感や色を製品別に確認
費用比較 下塗りを含めた工事総額 規定塗布量を含めた工事総額

「一年中快適にしたい」というご相談なら、塗料の比較に加えて、天井・屋根の断熱改修や窓の対策も候補に入れます。

「冬に寒くなる」は本当?暖房への影響も確認する

冬への影響について、私は「まったく寒くなりません」とは説明しません。屋根が吸収する日射熱を減らす以上、条件によっては暖房負荷が増える可能性があるからです。

環境省の高反射率塗料に関する実証資料にも、モデル的な工場の計算で、冷房負荷の低減と暖房負荷の増加を示した例があります。これは住宅の実測値ではありませんが、夏のメリットだけで年間の省エネを判断できないことが分かります。(env.go.jp)

今回ご紹介した自社測定は夏の記録で、冬の室温や暖房費まで追跡したものではありません。冬の寒さにも悩んでいる場合は、地域、屋根の断熱、窓の仕様、暖房の使い方を含めて相談してください。

ガイナ・クールタイト・サーモアイは、製品名より仕様で比べる

代表的な候補として、日進産業のガイナ、エスケー化研のクールタイト、日本ペイントのサーモアイがあります。それぞれ製品展開や施工仕様が異なるため、シリーズ名だけで優劣を決めるのは適切ではありません。(gaina.co.jp)

見積もりでは、次の項目をそろえて比較します。

  • 上塗り材と下塗り材の正式名称

  • 対応する屋根材と既存塗膜

  • 色と日射反射率

  • 塗布量、塗り回数、乾燥条件

  • 下地補修を含む総額

今回、室内で2.6℃の差を確認した施工例は遮熱フッ素塗料でした。ただし、この結果だけで「フッ素だからシリコンより涼しくなる」とは言えません。色や建物条件が異なる比較は、別のものとして扱っています。

色選びで変わる遮熱性能と、外観を両立させる方法

私たちのサンプルでは、遮熱シリコンの黒系とグレー系で、表面温度に11.4℃の差がありました。この結果を見てから、色選びは仕上がりの好みだけでなく、性能を検討する工程としてお話ししています。

ただし、「黒を選ぶと意味がない」ということではありません。一般シリコンの黒と比較したとき、黒系の遮熱塗料でも表面温度は11.2℃低くなっていました。

白・グレー・黒は、色名ではなく反射率の測定範囲を確認する

メーカーの色別資料では、同じシリーズでも色によって日射反射率が異なります。日本ペイントも、遮熱効果を重視する場合は日射反射率の高い色を勧めています。(nipponpaint.co.jp)

ここで注意したいのが、「全日射反射率」と「近赤外域の日射反射率」を混同しないことです。異なる測定範囲の数値を並べても、公平な比較にはなりません。

色を比較する際の項目 確認内容
色番号 「グレー系」だけでなく正式な色番号を確認
反射率 全日射か近赤外域かを確認
塗装仕様 下塗りと上塗りの組み合わせを確認
比較対象 同系色の一般塗料か、別の色かを確認
温度の説明 試験条件と実際の屋根条件を区別

私たちが測ったグレー系サンプルは、日射反射率約60%として確認したものです。すべてのグレーやダークグレーが同じ数値になるわけではないため、実際に採用する製品の資料で確認します。

外壁や近隣との調和を考え、明るい中間色も候補にする

「屋根は黒がいい」というご要望がある場合、私はまず、その好みを大切にします。そのうえで、ダークグレーやブラウン系など、少し明るい候補も並べて比較します。

ただし、ダークグレーやコーヒーブラウンに変えるだけで、必ず反射率が60%近くになるとは限りません。色名ではなく、製品ごとの数値を確認する必要があります。(nipponpaint.co.jp)

外観を検討するときは、小さな色見本だけで決めず、外壁と並べて屋外で見てもらいます。近隣の窓との位置関係や屋根勾配も確認し、「白なら最適」と一律には勧めないようにしています。

汚れで効果は落ちる?年数だけで低下率は決められない

遮熱性能の維持を考えるなら、汚れにくさも確認したい項目です。クールタイトは、低汚染性によって遮熱性能の持続を図る製品として案内されています。(sk-kaken.co.jp)

一方、今回の自社記録には、施工後3年・5年の反射率を継続測定したデータはありません。そのため、「5年で何%落ちる」「10年間効果が変わらない」といった説明はしていません。

冷房の効きが変わったと感じても、屋根の汚れだけが原因とは限りません。塗膜の状態と併せて、エアコンや暮らし方の変化も確認することが必要です。

気になる費用と差額回収の目安

費用を考えるとき、私がおすすめするのは「屋根塗装の総額」と「遮熱仕様に変更する差額」を分けて見る方法です。

塗り替え時期を迎えた屋根なら、一般塗料でも遮熱塗料でも必要になる工程があります。遮熱の追加費用を判断するには、同じ補修内容・施工条件で比較することが前提です。

一般シリコンから遮熱シリコンへの変更はいくら?

横浜リフォームサービスで確認した費用目安では、スレート屋根80㎡を一般シリコンから遮熱シリコンへ変更する差額は、約35,000〜45,000円です。自社直営施工を前提とした目安で、すべての現場に適用される定額ではありません。

比較項目 自社で確認した目安・注意点
対象屋根面積 80㎡
仕様変更 一般シリコンから遮熱シリコン
追加費用 約35,000〜45,000円
面積当たりの差額換算 約438〜563円/㎡
別途確認する条件 劣化、勾配、下塗り、補修、見積もりの税込・税別

また、遮熱機能が付いているだけで、同じ樹脂系の一般塗料より必ず2〜3年長持ちするとは判断していません。期待耐用年数と保証期間も別なので、製品ごとの説明を確認します。

電気代だけで差額を回収できる?仮定を置いて計算する

年間の冷房費が仮に4,500円減るとすると、差額回収の計算は次のようになります。

追加費用 年間削減額の仮定 単純回収年数
35,000円 4,500円 約7.8年
45,000円 4,500円 10年

したがって、この条件なら約8〜10年です。年間4,500円は実測した削減実績ではなく、試算のための仮定です。

年間の削減額が小さければ回収期間は延びますし、冬の暖房負荷への影響も考慮する必要があります。電気代だけを根拠に「必ず元が取れる」とはお伝えしていません。

延床30坪前後の戸建ては、面積と工事範囲をそろえて比較する

延床面積と屋根面積は同じではありません。同じ30坪の住宅でも、階数や屋根形状、勾配で塗装面積が変わります。

見積書では、次の項目を確認してください。

  • 実際の屋根面積と算出方法

  • 足場・飛散防止対策

  • 洗浄と下地処理

  • ひび割れや板金などの補修

  • 下塗り・上塗りの製品名と使用量

  • スレート重なり部の排水確保

  • 廃材処理、諸経費、消費税

今回の35,000〜45,000円は塗料仕様の変更差額であり、足場や補修まで含む工事総額ではありません。この違いを明確にしてから、複数の見積もりを比較すると分かりやすくなります。

補助金は地域ごとに確認する。横浜市では塗装対象と決めつけない

補助金については、「遮熱塗料を使えば受け取れる」と考えて契約しないでください。

横浜市の公式案内では、外壁塗装は遮熱・断熱タイプを含めて、また屋根の補修・葺き替えについても補助制度はないとされています。(city.yokohama.lg.jp)

一方、同市には既存住宅の断熱改修に関する支援制度の案内があります。塗装と断熱改修は対象工事が異なるため、制度名だけで判断せず、工事内容、申請時期、対象要件を公式窓口で確認することが必要です。(city.yokohama.lg.jp)

現場で確認したい、遮熱塗装の落とし穴

サンプルの温度差が分かっても、それと同じ塗装が現場で成立していなければ比較の意味が薄れます。

私は見積もりや施工記録を見るとき、上塗り材の名前だけでなく、下地、下塗り、塗布量まで確認します。

下塗りは「遮熱用なら何でもよい」わけではない

サーモアイには、上塗りに加えて遮熱シーラーや遮熱プライマーが用意されています。こうした製品では、指定された組み合わせを確認することが重要です。(nipponpaint.co.jp)

ただし、すべての遮熱塗料が同じ下塗り設計ではありません。「一般シーラーだと効果が半分になる」といった一律の説明も避けるべきです。

確認項目 見るポイント
屋根材 スレート、金属などへの適合
既存塗膜 塗り重ね可能か、除去が必要か
下塗り メーカー指定の製品か
塗装条件 塗布量、乾燥時間、塗り重ね条件
記録 使用製品や施工工程が確認できるか

私たちの測定結果を参考にする場合も、温度の数字だけでなく、採用する塗装仕様を一緒に確認してください。

スレートの重なり部は、排水を妨げない施工が必要

スレート屋根では、塗装後も重なり部の排水経路を確保する視点が欠かせません。見積もりでは、縁切りやタスペーサーなどをどう判断するのか、説明を求めてください。

ただし、すべての屋根で同じ部材を同じ数だけ使えばよい、という意味ではありません。屋根材の形状、既存の隙間、過去の塗装状態などを見て方法を決めます。

私が確認したいのは、単に「タスペーサーあり」と書かれているかではなく、「この屋根で雨水をどこへ逃がすのか」が説明されているかです。

塗り回数だけでなく、規定使用量と乾燥条件を確認する

「3回塗る」と聞くだけでは、塗装仕様を十分確認したことにはなりません。製品ごとの規定使用量や希釈、乾燥条件と合わせて見る必要があります。

ガイナの施工マニュアルでも、塗布量や希釈などの条件が示されています。使用する製品の施工要領に従うことが前提です。(gaina.co.jp)

見積もり時には必要な塗料量を確認し、施工中の写真や使用記録を残してもらうとよいでしょう。空き缶の数だけでなく、施工面積との整合まで説明してもらうことが大切です。

屋根の遮熱塗装はDIYできる?私がおすすめしない理由

費用を抑えたいお気持ちは分かりますが、私は屋根のDIY塗装をおすすめしていません。理由は、市販塗料の性能以前に、高所作業の安全確保と屋根の劣化診断が必要だからです。

高所と真夏の熱を伴う作業は、塗料選びより先に安全確保が必要

厚生労働省は、屋根作業中に滑落し、2階屋根から墜落した労働災害事例を公開しています。また、高所作業の墜落防止と暑熱環境への対策を求めています。(anzeninfo.mhlw.go.jp)

私たちのスレートサンプルでも、一般シリコンの黒は72.4℃を記録しました。測定のためであっても、安全対策なしで屋根へ上がったり、素手で触ったりしないでください。

市販品と業務用という区分だけで、遮熱性能や耐用年数を決めつけることもできません。製品仕様の比較とは別に、足場や墜落防止措置を含む施工体制が必要です。

洗浄は強ければよいのではなく、屋根の状態に合わせる

私が下地処理で気にするのは、洗浄機の出力だけではありません。既存塗膜の状態、屋根材の傷み、洗浄後の乾燥まで含めて確認します。

汚れが残ったまま塗ることも問題ですが、傷んだ屋根に強い水圧をかければよいわけでもありません。塗装前の調査で、洗浄方法と補修範囲を決めることが必要です。

見積もりでは「高圧洗浄一式」で終わらず、傷んだ箇所をどう扱うのか聞いてみてください。

ひび割れや下地の傷みは、遮熱塗料で直せない

遮熱塗料を塗ることと、雨漏りの原因を修繕することは別です。塗装で扱える状態なのか、屋根材や下地の修繕が必要なのかを先に判断します。

私は、暑さの相談であっても、雨漏り跡や板金、屋根材の傷みが見つかれば、そちらの確認を優先します。塗装後の温度差よりも、まず屋根として健全に使える状態かどうかが重要だからです。

塗装が適さない場合は、カバー工法や葺き替えを含めて比較することになります。

建物の構造まで確認する、屋根メンテナンスの相談先

遮熱塗料を選ぶ際には、「何℃下がりますか」だけでなく、「その見通しを、わが家のどの条件から判断していますか」と質問してみてください。

測定データを示しながらも、その限界まで説明できる相談先を選ぶことが大切だと考えています。

天井裏の断熱・換気・窓まで調べることが、過剰な期待を防ぐ

創業初期の失敗では、窓と断熱材を見落としました。そこで現在は、屋根だけでなく、室内の暑さとのつながりを確認するようにしています。

診断項目 確認する内容 提案への生かし方
天井・屋根断熱 厚さ、隙間、ずれ、施工範囲 断熱改修との比較
小屋裏換気 換気口や熱・湿気の状況 換気改善の必要性を検討
窓 方角、大きさ、ガラス、日よけ 窓の日射対策との優先順位を整理
屋根材・下地 劣化、雨漏り跡、既存塗膜 塗装できる状態かを判断
暮らし方 暑い時間、部屋、冷房の使い方 効果を期待する場所を明確化

「屋根からの熱を減らしたい」のか、「寝るときの暑さを改善したい」のかでも、必要な対策は変わります。困っている場面を具体的に伝えていただくことが、調査の助けになります。

自社施工かどうかに加えて、仕様と責任範囲を確認する

横浜リフォームサービスでは、現場直営の立場で、調査した内容と施工内容をつなげることを大切にしています。

ただし、自社施工というだけで価格や品質が自動的に決まるわけではありません。施工体制にかかわらず、見積もりの内訳、工程記録、保証内容、施工後の連絡先を確認してください。

追加補修が必要になった場合の説明や承認方法まで決めておくと、工事中の認識違いを防ぎやすくなります。

横浜リフォームサービスが考える、遮熱塗装の現実的な価値

12年間の現場経験を通じて、私は遮熱塗装を「家全体を冷やす工事」ではなく、「屋根が受ける日射熱を減らす選択肢」として説明するようになりました。

屋根表面の温度上昇を抑えることは確認できても、それだけで防水シートや野地板の寿命が何年延びるかまでは分かりません。今回の自社測定も、建材寿命を追跡した調査ではないため、「屋根の寿命が数年延びる保険」とは言い切れません。

塗り替え時期を迎え、屋根からの熱が気になる家であれば、一般塗料との差額を踏まえて検討する価値があります。一方で、窓や断熱材、雨漏り修繕を優先した方がよい家もあります。

私たちは、できることとできないことを整理したうえで、ご自宅に合うメンテナンスをご提案します。相談の際は、暑くなる部屋と時間帯、希望する屋根色、過去の修繕履歴を教えてください。

よくある質問

屋根の遮熱塗料で2階の室温は何℃下がりますか?

自社の築22年の住宅の施工前後比較では、2階寝室の天井付近で37.8℃から35.2℃へ、2.6℃の差を確認しました。別日の測定であり、測定位置や断熱・窓・気象条件によって結果が変わるため、同じ低下量を保証するものではありません。

黒い屋根でも遮熱塗料の効果はありますか?

自社のスレートサンプル比較では、一般シリコンの黒が72.4℃、遮熱シリコンの黒系が61.2℃でした。この条件では11.2℃の差がありましたが、製品や日射条件によって結果は異なります。

遮熱塗料はグレーにすると黒より涼しくなりますか?

自社のサンプルでは、遮熱シリコンの黒系とグレー系の裏面温度に8.4℃の差がありました。ただし、グレーという色名だけで性能は決まらないため、採用する製品と色番号の日射反射率を確認してください。

遮熱塗料の追加費用は何年で回収できますか?

追加費用35,000〜45,000円、年間の電気代削減額を仮に4,500円とすると、単純回収期間は約8〜10年です。削減額は実測実績ではなく仮定であり、冷暖房の使い方や冬の影響によって変わります。

遮熱塗料の施工前後は、どこを測れば比較できますか?

自社では屋根表面・小屋裏・2階寝室の天井付近という3か所を分けて記録しました。比較には測定位置と時刻をそろえ、外気温だけでなく日射、風、エアコンの使用状況も記録することが大切です。

5年後も塗装直後と同じ遮熱効果が続きますか?

今回の自社記録には、施工5年後の反射率を継続測定したデータはありません。同じ効果が続くとは断言できないため、製品の低汚染性や維持管理条件を確認し、塗膜の状態を点検してください。

引用・参照元

施工時の温度、サンプル比較、費用目安、創業初期のエピソードは、著者確認済みの横浜リフォームサービス提供情報に基づきます。公開URLはありません。

この記事を書いた理由

著者 - 横浜リフォームサービス編集部

神奈川県横浜市西区で2014年に創業して以来、12年にわたり外壁塗装や屋根塗装、葺き替え工事などの施工を手掛けてまいりました。日々建物調査や施工現場に立ち会う中で、「高い費用を払って遮熱塗料を塗ったのに、2階の暑さが全く変わらない」と他社施工の相談を受ける場面が少なくありません。

実際に点検を行うと、断熱材が十分に機能している住宅に過度な期待を持たせていたり、屋根材の特性に合わない塗料を選んでいたりするケースが見受けられます。さらに深刻なのは、遮熱効果を引き出す専用下塗り材を使わずに薄塗りされていたり、スレート屋根の縁切り不足による雨漏りリスクを招いていたりする、間違った施工トラブルです。中間業者を挟まない施工体制を貫いてきた専門店の視点から見ると、事前の構造見極めと正しい工程管理さえ徹底していれば防げたはずの失敗ばかりです。

カタログの宣伝文句だけを信じて後悔する方を一人でも減らし、住まいの寿命を延ばしながら納得のいく費用で快適な環境を手に入れてほしい。その強い想いから、現場対応の知見を包み隠さず本記事にまとめました。

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横浜リフォームサービス

住所:神奈川県横浜市西区宮ケ谷44-15

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